キリンの進化-変化にチャレンジしよう
キリンの首が長くなったのは、食べられる葉っぱが高い木の上にしかなくなったから。誰でも知っている進化の常識ですが、葉っぱが減ってからキリンが首を伸ばそうと努力したわけではありませんし、葉っぱを目指して首が伸びたわけでもありません。
食べ物がなくなるずっと前から首の短め、長めの様々なキリンの変種がいたのですが、環境が変わった時に首が短い個体は生き残れず、徐々に首の長いキリンだけが交配して増えていったというのが正解です。つまり首の長いキリンは「たまたま」生存競争に勝ったというだけなのです。環境が違う変化をしていれば、首の短いキリンや太ったキリンが天下を取っていた可能性もあったのです。
つまり、進化した動物が必ず生き残るのではありません。多様に変化した動物の中で「どれかが」「たまたま」生き残る現象を「進化」と呼ぶのであって、種の存続に失敗した変種の方が圧倒的に多いのです。
ビジネスの世界でも「環境の変化に対応した者こそが生き残る」と繰り返し言われますが「環境が変化したから対応しなければ」と考えて動き始めたのでは実は遅いのです。環境が変化する前に自らが変化しておかなければ手遅れになるのはキリンの淘汰と同じです…
(永山久徳=ホテルリゾート下電代表取締役)
(トラベルニュースat 2019年4月10日号)
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