商品情報-性能や機能のPRは終えん
数年前電気自動車が発売された時、その見出しにくるセールスポイントは「燃料代が浮くので経済的」というものでした。それに答えて評論家やマスコミは評価する一方で「本体価格が高いので元を取るのは大変」「電池の劣化が心配」「充電に時間がかかる」と主に経済性から見た疑問点をメーンの記事として世間に流しました。
しかし、私が電気自動車を購入し、運転して真っ先に感じたことは、ガソリン車ではあり得ない加速のスムーズさと車内の静かさでした。圧倒的なメリットを一旦体験してしまうことで、しばらく病みつきになりました。メーカーの訴えていた経済性はどちらかといえば後からついてくるメリットに過ぎませんでした。でも、そのような視点から電気自動車のメリットを論じた記事は当時少数派でした。
次は家庭用食器洗浄機のお話。もう発売されて長い年月が経ち、標準装備されている建売住宅やマンションも多いようですが、せっかくキッチンについていても使わない人がかなりの割合で存在するとのこと。食器洗浄機について一般の人が持っているイメージは「早く、楽に洗える」というものでしょうが、実際には乾燥も含めて2時間近くかかったり、食器を並べるのに時間がかかったりするので、思ったほど早くも楽でもないことが敬遠される理由のようです。
逆に食器洗浄機にハマっている人は、手洗いでは扱えない熱湯を使うことで仕上がりがピカピカになることや、除菌されることによる衛生感がたまらないと考える人の声を多く聞きます。利用者の主目的は時短よりも清潔感なのです…
(永山久徳=ホテルリゾート下電代表取締役)
(トラベルニュースat 2019年6月10日号)
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