自然災害への対応-訪日客の不安に寄り添う
前回に引き続き、気仙沼版DMO(気仙沼観光推進機構)の取り組みを紹介する予定でしたが、今回は違うテーマを取り上げたいと思います。
今月に入り、全国的な猛暑がやっと収まりかけたところへ台風21号と北海道地震による大規模な自然災害が連続して日本を襲いました。私の和歌山大学における集中講義は2日連続で休講になり、校舎の一部が損壊するなど大変でしたが、それ以上の被害はありませんでした。全国各地では多くの方々が激甚な被害を受け、現在もまだまだ復興途中の地域があります。被災された方々には心からお見舞いを申しあげます。
近年、異常気象による自然災害が起きるたび、マスコミの見出しには「観測史上初めて…」や「過去最高の…」と言ったフレーズが使われることが多くなりました。年々、気候変動による自然災害がひどくなっていますが、この問題は日本だけではありません。現在(9月15日)もフィリピンを大型の台風22号が通過中であり、アメリカの東海岸には大型ハリケーン・フローレンスが上陸し、100万人単位で避難指示が出ています。
世界的な気候変動による自然災害をすぐに止めることはできません。しかし、事前に被害を想定したリスクマネジメントや実際の災害時に対応するクライシスマネジメントを組織的に運用することにより、実際に受ける損失を回避または低減することは可能です。これらのマネジメントの詳細についてはいずれ連載の中で説明する予定です…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2018年9月25日号)
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