世界水準のDMO検討会9 マーケティングの理解を
前回「世界水準のDMOのあり方に関する検討会(以下、検討会)」の中間とりまとめの「Ⅱ.DMOが抱える共通的な課題について」の中で「地域に観光資源や受入環境の整備等の着地整備に関する取組が十分なされないまま情報発信に偏った取組を行っているDMOが見られる」と検討会が指摘したことは「多くのDMO法人が無意味な宣伝と広告、PRばかりで本来のマーケティングが出来ていない」と同じ意味であると解説しました。特に着地整備に関する取り組みではマーケティング力のないDMOほど旅行者の明確な目的や価値となるご当地ならではの商品・サービス化が進んでいません。
この点についてはそもそも多くのDMO法人にマーケティングを実践できる人材がほとんどいないという現実があります。この課題を解決しない限りマーケティングに関しては何も改善されることはありません。中間とりまとめの中でも「ⅱ.DMOの組織・財源・人材(人材育成)について」で「出向者が中心となっている組織では、専門的なスキルや人脈の継承が困難であり、組織としての専門性の維持、向上に課題を抱えている」と指摘しています。ただし、現場からすればこの指摘に関しては異論が出るでしょう…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2019年9月25日号)
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