COVID19 デジタル・オンライン化が加速
新型コロナウイルス(COVID=コビッド=19:英語表記略と発生年を組み合わせてWHOが命名)感染症の猛威が世界中の経済活動を停滞させています。特に各国の渡航禁止と入国制限、外出規制措置は観光関連産業を壊滅状態へ追い込みました。
日本では5月6日までを期限とした非常事態宣言が全国に発令され、ゴールデンウイーク中の集客チャンスも完全に消え去りました。このまま夏休みまで外出自粛が続くようなことになれば、日本の観光産業そのものが立ち直れなくなりそうです。過去のリーマン・ショックや東日本大震災の時の被害も大きかったのですが、COVID19感染症は金融業界や地域、国の単位を超え、世界規模の大惨事にまで発展させました。
このような状況下では過去の経験値や前例主義的な考えは、ほとんど役に立ちません。これまでのあらゆる戦略や計画などは一旦ゼロベースから考え直す必要があります。ただし、どのような時であれ、まずは現状をしっかりと把握しながら将来を洞察しなければなりません。
現在、人流が止まってしまったのは明白です。その反面、宅配やデリバリーなどの自宅消費が伸びたことも要因となり、物流は以前よりも増えています。利用者が激減した航空会社でも旅客機を貨物機として運用を始めました。
そして、物流以上に世界中で圧倒的に増えたのがネット上の情報量です。某インフラ大手のデータでも、日本政府が緊急事態宣言を発令した直後の4月8―11日の4日間は前年同期と比べて67%も通信料が増えました。1週間前(4月1―4日)と比較すると21%増です。在宅によるテレワークや学校、塾などのオンライン講義だけでなく、自宅消費を支えているのもネット上での様々な流通のしくみです。グーグルマップ上でも「テイクアウト」と「デリバリー」の表示が強化されました…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2020年4月25日号)
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