Go Toトラベル バラマキ型は通用せず
新型コロナウイルス(以下、COVID=コビット=19)の猛威は、日本の国内総生産(GDP)を27・8%(17日政府発表の4−6月期速報値。物価変動を除いた実質で前期7・8%減からの年率換算)も減少させてしまいました。
これはリーマン・ショック後の2009年1−3月期の年率17・8%減よりもさらにひどく、戦後最悪のマイナス成長です。緊急事態宣言による全国的な自粛の影響で個人消費が大きく落ち込み、世界的な感染拡大が止まらず輸出も減少した結果、日本の内外需は総崩れ状態となりました。このままでは7−9月のGDPはさらに悪化しそうです。
特に内需の中でも民間最終消費支出(個人消費)が落ち込んだ影響は旅行・観光業界に大打撃を与え、その復活をかけて政府が打ち出した「GoToトラベル」は運用される前からトラブル続きでした。開始後も各地から移動と入域に対する自粛要請もあり、その成果は想定を大きく下回っています。
「20年8月のお盆休み&夏休みの過ごし方について」の調査(株式会社ネクストレベル18−49歳の男女436名)では「普段通りの生活をする人」が70%に対して、「旅行やレジャーを楽しむ人」は8%でした。GoToトラベルの利用については、「しない」が83%、「利用する」はたった4%です。
実際、お盆休み最後の土日となった15、16日の主要観光地の人出は、前年8月の休日平均に比べて約2−4割も減少しました(KDDIのGPS調査)。新型コロナウイルスの感染再拡大もあり、帰省や旅行を控える動きを如実に反映した結果となっています…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2020年8月25日号)
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