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Go Toトラベル 地域経済再生の気がない政府

12月14日18時、政府は12月28日から翌年1月11日までGo Toトラベルを全国一斉に一時停止すると発表しました。大阪市や札幌市、東京都、名古屋、広島市など、感染者数が増加傾向にある都市がGo Toトラベルの適用停止になることがあったとしても、全国一律で一時停止になるとは誰も想像していなかったのではないでしょうか。多くの観光関連事業者がニュースを聞いた瞬間、頭が真っ白になったと思います。観光庁でさえ会見の10分前まで知らされなかったという誰もが驚く突然の発表でした。

今回の一時停止に伴うキャンセル料の利用者負担はありませんが、事業者には代金の半額(上限2万円)しか支援しないため、政府が旅行会社や宿泊施設にはお客様への全額返金を強要しておきながら場合によっては不利益を被る可能性があります。例えば、宿泊単価が高い施設では支援額が半額の割引分を満たせず、その結果、事業者の負担が大きくなります。

一方、世間では支援金が出るだけでも十分ではないかと考える人も多く、専門家・有識者には政府が半額分の支援金を支払うことに対して絶賛する方がおられます。

しかし、これまでの売上マイナス分を取り戻すために多額の借入をしてまでGo Toトラベルと年末年始の営業に勝負を賭けた事業者からすれば、今回の一時停止は死刑宣告に近かったことでしょう。しかも、旅行会社や宿泊施設以外の観光関連事業者に対する補償はほとんどないに等しく、政府は手厚い支援策を行うと言いながら、地域経済を再生させる気がないようにも見えます。実際、政府ができる支援策にも限界があり、再び持続化給付金や家賃補助などの現金配布や減税ぐらいしか手段は残されていません…

(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)

(トラベルニュースat 2021年1月1日号)

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