Go Toトラベル 感染症との共存を目指せ
政府が1都3県を対象に対して緊急事態宣言を再発令してから本日(1月17日)で10日が経ちました。連日メディアでは各地の陽性判明者数の増加を話題にしていますが、一週間の平均値で見れば11日をピークに全国的に減少傾向へ転じていることは伝えていません。
しかも、死者数と重症者数、入院・療養者数の増減は伝えても、退院・療養解除の人数には触れていません(1月1日2701人から15日5496人と約2倍に)。感染した場合の潜伏期間と言われる2週間まで後4日ありますが、陽性が確定した人のうち、97・5%が11・5日以内に発症(中央値は5・1日)していることからも今後の陽性判明者数の増加は一旦落ち着きそうです。
1月11日と言えば、Go Toトラベルの全国一斉の適用停止から2週間です。全国的な年末年始の人流を止めた効果は少なからずあったと言えますが、その結果よりも注目すべきは東京を外して7月22日に開始したGo Toトラベルの約2週間後からは陽性判明者数が減少していたという事実と、10月1日に東京が適用となった約2週間後からは感染が再拡大していたことです。
現在、緊急事態宣言は各地域の感染状況に合わせて発令されていますが、Go Toトラベルは明確なエビデンスもないままに全国一斉の停止となっています。
今後緊急事態宣言が解除され、Go Toトラベルが再開されたとしても、全国的に陽性判明者数が増加してしまえば政府は確実に再度の適用停止を求めます。ただし、その決定においてはCOVID―19感染症拡大が各地に及ぼす影響や地域の実情に合わせた判断が必要なはずです。結果論とはいえ過去一年間の数字を確認すれば反証できることは多々あります…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2021年1月25日号)
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