COVID−19とオリ・パラ 後世に語り継ぐために
COVID−19感染症拡大の影響で史上初めて延期された東京オリンピックが開幕します(東京オリンピックの開会式前の原稿執筆)。残念ながら今大会では一部の会場を除いて無観客となってしまいました。
一方、海外では英国で開催されたサッカー欧州選手権(EURO2020)の決勝戦にはウェンブリースタジアムに6万人以上の観客が集まり、アメリカ大リーグのオールスターゲームでもクアーズ・フィールド球場は満員の観客の中で試合が行われました。しかも、テレビ中継で見る限りマスクをしている観客は見当たりませんでした。日本と欧米ではワクチン接種率にまだ差があるとは言うものの、日本と比べて重症者・死亡者数が圧倒的に多い欧米諸国において数々の大規模スポーツイベントが有観客で開催されています。
来日中のIOCバッハ会長は菅総理との会談時(14日)に有観客での開催を要望しました。前述した通り、重症者・死亡者数どころか感染者数も日本よりも桁違いに多い欧州から見ると、逆になぜ無観客としたのかが理解できないのかもしれません。しかも国内でもプロ野球やJリーグだけでなくオリンピック競技でもテストマッチなどは有観客で実施されているのですから、欧米諸国には日本のCOVID−19対応がチグハグで不思議なものに見えるでしょう。
結果的に東日本大震災からの復興やCOVID—19を克服するという大義すらなくなってしまった東京オリンピックですが、コロナ禍での大会開催には世界中の注目が集まっています…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2021年7月25日号)
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