人手不足の問題 成果に応じた待遇必要
近年、観光関連事業者が抱える課題の一つに人手不足があります。コロナ禍で世界中の観光市場が停滞し、その後の急速な需要回復に伴って人手・人材不足が顕在化しました。日本だけでなく、世界中で人手不足と優秀な人材確保は最重要課題となっています。
一方で、デジタル化やロボット化、DXの活用で現場の多くの業務を自動化することができるようにもなっています。実際、ネット上でのコミュニケーションはAIによるチャットボット、飲食店のオーダーやホテルでのチェックイン・アウトはタッチパネル、ルームドアの開閉もスマートロックなど、業務を効率化させる技術の進歩と導入が各地各所で増えたことで、これまでよりも少ないスタッフでお客様の対応ができる環境整備が進んでいます。ただし、すべての業務を自動化させることはできないため、現在でも現場における人手不足はほとんど解消されていません。
観光関連産業の人手不足の原因に労働条件の厳しさが挙げられます。特に低い賃金と不規則な労働時間などはこれまでも問題視されてきました。人手不足の影響でアルバイト・パートの時給が徐々に上がってはいますが、それでもほとんどの地方部では時給1千円に届かないのが実状です。
このような状況下で、那須ハイランドパーク(栃木県那須町)では、時給2500円の「プラチナバイト」を10人募集したところ(8月10―18日限定)、キッチンカーや売店での売り子といった業務に対して、100人以上の応募がありました…
(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)
(トラベルニュースat 2024年10月25日号)
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