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草創期の観光研究者と人脈

1960年代は、団体旅行全盛時代。「7畳半」の客室が流行していました。一般的な和室に布団を敷くのに、4人分なら8畳の客室なのですが、正方形である8畳に3人の布団を並べて、1人分はその頭の上に横向きに敷くという、収まりの悪さ。そこで6畳の横に1畳半を付けて、4人分の布団を並べて敷く横長の7畳半が発明されたわけです。

1942年(昭和17年)の宿泊料金統制要綱(物価局)は、1室の定員を6畳1名、8畳2名、10畳3名、12畳3名、15畳4名、18畳5名と定めていました。ポストコロナ時代は、この約80年前に定められた定員が通常の旅館の標準値になるのではないでしょうか。

さて、TMCの事務所は水道橋駅近くの三崎町(エイエイピー・旅館経営研究所と同じビル内)にあったのですが、日本マネジメント協会駒井理事長の「コンサル会社は不動産を持つべきでない」の言を拒み、青山通りの地下鉄青山一丁目駅前新築マンションに移転しました。1967年です。

私は主に大柿佳二先輩に付いて観光地旅館をまわり、観光地の実態、旅館の計数や要員配置と業務内容、事務手続き等々を学びました。当時の先輩5人、池田誠治、大柿佳二、柴田光一、野村夏弥、千賀重行各氏はいずれも故人となってしまいました。

私がTMCに入社した前年に横溝博という人がヘルスセンターについての論文を書いて運輸大臣賞をもらったという記事を読んで、どんな人か会いに行こうと財団法人日本交通公社を訪ねました。あとで知ったのですが、財団法人日本交通公社は観光業界では「ザイダン」と呼ばれ、「ニッカンキョウ(日観協・社団法人日本観光協会)」と双璧を成す存在でした…

(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)

(トラベルニュースat 2020年7月25日号)

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