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TMCの解散決定

1989年、某県で3年連続法人所得ランキング入りを目標としている旅館経営者の話を聞く機会がありました。「水は低きに流れ、金は高きに流れる」と言います。つまり「利益を上げる体質になると資金に余裕ができ、例えば固定資産税を前納すると、還付金は固定資産税相当額を預金した場合の利息よりも大きい。逆に資金がなければ延納、延納で延滞金を払わねばならず、資金繰りに苦しむ一方となる。決算月は10月が良い。確定申告と法人税納期は決算2カ月後の月末だが、12月末は役所の年末年始休業期間に当たるため、これが翌年1月4日以後となる。したがって税金は正月の稼ぎで支払うことができる」というわけです。

その前年の88年、高級大型旅館であるホテル百万石の決算で経常利益が10億円強と報道され、旅館業も高料金化による高収益の期待を持てる時代が見えたかと思いました。

戦後最高のバブル経済の絶頂期にあった89年は、数多くの話題を歴史に残しました。64年間も続いた昭和の終わりと平成時代の始まり、初の消費税導入、日経平均株価史上最高値記録、国外ではベルリンの壁崩壊、北京天安門事件などです。

私個人にとっての最重要事は、株式会社ティエムシーの解散と自身の独立の決定です。創業時代から順に、いずれも癌で40代、50代に逝去された千賀重行さん、柴田光一さん、野村夏弥さん、そして湯河原温泉天野屋旅館の名支配人から転職されて数年で世を去られた加藤常蔵さん(60代、癌)は生きる教科書でした…

(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)

(トラベルニュースat 2022年7月10日号)

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