ヨーロッパにみるヒント
フランス人の94年夏(猛暑)における国内バカンスの過ごし方は「何もしない」「名所旧跡等の観光」「展示会、催し物見学」「ハイキング等」「水上スポーツ」「その他のスポーツ」「魚釣り」「ガストロノミー(グルメ)」「テーマパーク」「その他(庭いじり、日曜大工、買物)」のうち、「何もしない」42%、「その他」23%が、前年比増加率とともに上位2位で3分の2を占める。前年比減少率最大は「ガストロノミー」が抜群の13%で、健康・美容への関心の高まりから、地方での「重い料理」が敬遠される傾向が強まっていると解説されている。
「バカンスで利用した宿泊施設」は「家族、親戚、知人宅」が全体の40%を占め、2位「別荘、セカンドハウス」20%、以下オートキャンプ場、賃貸アパートまでで84%を占め、ホテル6%、クラブ・バカンス村4%などの利用は、ごく少ない。
なおフランス人の国内宿泊旅行総数は、延べ1億260万泊、平均6・2泊。
94年に訪問したギリシャ政府観光局の最終目的は「ギリシャ全体の観光地化」である。そのために「歴史的・文化的にみて価値があるが廃屋となっている個人所有の民族建築物の修復、保全活用」が大きな仕事であり、全国で百数十件の修復・改造によってホテル、レストラン、病院・診療所などとし、あるいは原型のまま修復して博物館として活用している。できるだけ観光客の少ない地方に重点的に投資して、家主から10年契約で観光局が賃借して家賃を払い、10年後に返却するシステムで、その間は観光局が直営する。家主にはありがたいシステムで、観光局がその資金負担できるのは、直営カジノの収益が大きいためと推測される。カジノの収益は公表されないが…
(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)
(トラベルニュースat 2023年7月10日号)
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