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私の経営診断

足掛け53年間の記録と記憶から、市場調査、経営診断、建築企画、顧問などで関わった宿泊施設を都道府県別に分類したら、47都道府県すべてで仕事をさせていただき、総数は約320軒だった。うち民間が約20%で、大半を占めた公的宿泊施設の、半数以上の仕事は経営診断。

今回は私の公的宿泊施設経営診断の標準的な内容を紹介する。

契約後の行程
①現地訪問の1カ月前に外部資料7点、内部資料25点を受領。

②私とアシスタントの2名が2泊3日の日程で現地調査。施設内外を案内してもらい、その後2、3日に分けて現場のトップ以下管理職すべてのほか、可能な限り一般職員およびパート職と個別面談。類似施設等視察と情報聴取。

③報告書作成。現地調査の概ね30日後、A4版70―80ページの中間報告書を送付。メール、電話等の話し合いで納得を得て、最終報告書および3―4ぺージの要約版を送付。

④現地にて報告会実施(報告会を行わないこともある)。

報告書の内容は次のとおり。

・現状分析
Ⅰ.施設の存在する地域・地区の市場性(需給動向を分析)
Ⅱ.当該施設の現状分析(現状を商品面、利用面、財務面、管理面の分析によって把握し、長所および問題点を明らかにする。核心となる財務分析は私が作成した標準指標に基づいて行う)
・方向づけ
1.現状分析結果の要約(SWOT分析により、現状の長所、短所等を明らかにする)。
2.概算損益分岐点売上の把握
3.存在価値の確認
4.基本的方向づけの提言
5.基本的方向づけに基づく具体的改善案の提言
6.改善案に基づく収支計画策定

★「現状はこうだから、こうするのが良い、そうすればこうなる」というストーリーを見せるのが私の経営診断…

(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)

(トラベルニュースat 2023年11月10日号)

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