「ワンダー8」
プライベートな海外旅行関連での稀有な経験談を紹介する。
98年秋に夫婦で旅行会社主催のスペイン・イタリアツアー10泊に参加した。メンバー構成は、シーズンだけにハネムーン中心に若年カップル6組、我々を含む熟年夫婦2組、母娘1組、単身参加女性1人、そして女性添乗員の計20人。すぐ親しくなり、帰国のころは全員すっかり打ち解ける楽しい旅行だった。
帰国1カ月後の土曜日夕刻、関東居住者が大半だったので、横浜中華街で写真交換会を開催、十数人が参加。宴会後の二次会のカラオケ店に、国内添乗業務を終えた添乗員が羽田から駆け付け参加し、話に花が咲く。終電もなくなったため、彼女と栃木県のペアが我が家に泊まったという盛り上がりよう。
そして翌年から毎年1回、幹事交代制で現地集合・現地解散の国内1泊旅行を実施。独身だった添乗員も結婚して夫婦で仲間入りし、参加者は最低でも12人。熟年夫婦、母娘、北海道から単身参加の女性を除けば全員がほぼ毎回参加、ハネムーナーに次々子どもができて賑やかに。
毎年孫が増えるような感じで旅行出発前に子どもたちの名前を暗唱するのも嬉しい苦労だし、30歳も若い素晴らしい仲間たちと楽しい時を過ごした後は、我々夫婦もしばし思い出話で秋風を忘れる。
毎年の旅行の常連である若いカップル6組と添乗員夫妻、そして我々の8組を、私は昔の手塚治虫のアニメ「ワンダー3(スリー)」に倣って「ワンダー8(エイト)」と勝手に心の中で命名した…
(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)
(トラベルニュースat 2024年2月10日号)
- 環境立国への胎動(24/11/19)
- 変化に鈍感な旅館・ホテルは生き残れない(24/10/17)
- 経費削減事例集(24/09/13)
- 立教大学大学院観光学研究科(24/07/17)
- 流れた「RYOKAN」(24/06/17)
- 講演と判りやすい見出し(24/05/16)
- 21世紀における観光旅館の経営方策(24/04/17)