環境立国への胎動
2005年に愛知万博を控えた21世紀初め、環境立国日本へと様変わりするようにエコデザインという言葉が流行し、国際観光施設協会にも技術委員会の中に「エコデザイン分科会」ができた。03年末に、ホテル旅館業界にとって大きな話題になったのは、グリーン購入ネットワーク(GPN)主催、環境庁・経済産業省ほかの後援による「グリーン購入フォーラム・第6回グリーン購入大賞」。ここで最高の環境大臣賞を得たのが株式会社星野リゾート、経済産業大臣賞は株式会社リコーである。
そしてエコデザイン分科会が実地見学した星野リゾートが並み居るメーカーらを抑えて最高の栄誉を獲得した。ホテル・旅館部門の大賞受賞者でもある星野リゾートは、ホテルブレストンコートにおける結婚披露宴での食べ残しを減らすために、当日の披露宴の場で、客にメニューから料理を選択してもらうことによって食べ残しを16%削減、売上を7%増加させたこと、特にその挑戦テーマの選定が審査員に身近なため強い印象を与えた。受賞の要因はこの事例をはじめ、多くの取り組み成果もある。
星野佳路社長が大賞受賞の謝辞をと壇上に立ち「僭越ですが、最初から環境大臣賞と経済産業大臣賞のどちらを狙おうか、今年は環境大臣賞にしよう、と目標を定めました。来年は経済産業大臣賞を目標に楽しく挑戦します」と。「社長があのように公言するとプレッシャーが大変ですね」と、すっかり親しくなった実施リーダーのSさんに言うと「いや、我々も楽しくエコにチャレンジしています」と返ってきた…
(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)
(トラベルニュースat 2024年11月10日号)
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