ワーケーションを確立する
ワーケーションが話題だ。ワーク+バケーションでワーケーション。コロナ禍を踏まえた新しい働き方であり、インバウンド蒸発後の新たな国内観光需要でもある。
国は政治的発言もあり、ワーケーションに関する実証実験やモニターツアーなど様々な施策や予算を設けている。
専門メディアのみならず一般メディアにもワーケーション特集が出てきた。大ブームになるかも、の様相である。
では、実際はどうなのか。一部地域、一部施設で宿泊客は増加しており、連泊期間が長くなっている。宮城県蔵王町の宿泊事業登録をした別荘ではコロナ禍にも関わらず、コロナ以前の稼働率、客単価を維持しつつ、2泊平均だった泊数が4泊以上となっている。中には26連泊とひと月近い滞在もあるようだ。
しかしながら、滞在者の多くは経営者、自営業、フリーランスなど、時間と経済に自由があり、自らで判断できる人たちだ。このままでは一過性の小さなブームで終わってしまう可能性を含んでいる。
大事なことは、企業、組織にワーケーションに関する制度(就業規則、出張規定、休暇取得規定、人事評価制度など)を策定してもらうことだ。ワーケーションに関する制度が組織内にない限り、ワーケーションの拡がりは期待できない。
有給休暇を取得する制度があっても、他国に比べると取得率の低い我が国である。大前提として、ワーケーションに関する制度がない限り世の中に広まらないことは自明の理である…
(百戦錬磨・観光創生班)
(トラベルニュースat 2021年3月10日号)
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