新たな事業創造 投資目線を踏まえ計画
新年度に入り、観光業界を代表する企業のトップからは、過去のビジネスモデルに捉われず新たな事業創造が必要であり、その実現がなければ未来はない、との決意発言が相次いでおり、コロナ禍の2年超は業界を大きく変えようとしている。
ただ、その発言内容は実は何十年も前から課題になっていたことをここまで追い込まれて来たことで、ようやく重い腰を上げたとも見える。今後、各社がどこまで本気であるのか試される年となろう。
特に「発」から「着」、取り分け地方創生、地域活性化をうたうビジネスモデル転換が多数を占める。観光庁も「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」「看板商品創出事業」「第2のふるさとプロジェクト」など、まずは業界存続のため、そして将来に向けて新たな業界づくりのため、新たな政策をこれでもか、これでもかと造成してくれている。
たいへんありがたい機会を頂戴していることに政府に対して、納税者の皆さんに対して感謝しかない。
業界としてはこのチャンスを活かして生き残り、かつ次世代の観光業界を創造しなければならない。地方創生、地域活性化を掛け声だけでなく、持続継続できるビジネスモデルに転換していくことが肝要である。
ただ、懸念点がある。
資金と人材の問題である。
上記の観光庁事業でも一部10割補助してもらえるものもないわけではないが、多くは2分の1、もしくは多くて3分の2程度の補助率である。どうしても2分の1ないし3分の1の資金を調達しなければならない。
資金調達の基本は手持ち資金もしくは、借入であるが、地方の金融機関はコロナ禍で疲弊している既存事業者対応ですでにリスク負担しており、新たなリスクを取る余力はない、との回答が多く、せっかくの観光庁事業も資金調達ができず頓挫してしまうケースが頻発している…
(百戦錬磨・観光創生班)
(トラベルニュースat 2022年4月10日号)
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