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環境と強みを生かす7つのビジネスチャンス

少し前になるが8月2日、全国旅行業協会近畿地方支部長連絡会(吉村実議長)が各府県支部を集めて合同役員会を11年ぶりに開いた。

その際、基調講演をさせていただいた。「小規模旅行会社の生き残り戦略」と題して講演し、生き残るチャンスとして幾つかの提言を行った。以下にまとめる。

(1)地域性を生かす
ANTA所属旅行会社の多くは、地元地域に根づいた旅行会社である。地元地域からのアウトバウンドが主な事業であったが、地元地域側でのインバウンド事業により一層積極的に踏み込むべきである。「地旅」の他チャンネルも含めた拡販、内容の充実、商品バリエーションの拡充、地元地域にあるからこそできるランド事業が大いなるチャンスとなる。一方、単価を高く、プライベートでの相談に応じる旅行事業も可能性があるのは言うまでもない。

(2)団体を扱うノウハウの展開
OTA全盛時代である。しかし、OTAがやり切れていない分野こそ団体である。団体のノウハウ、すなわち、多くの人員に対応する計画立案および実行である。このノウハウを活かす事業とは何か、この視点で他事業に拡げてほしい。コロナ禍でいくつかの旅行会社は大規模ワクチン接種事業の受託で凌いだのは新しいところだ。

(3)異業種との連携
最近の潮流としては、第2のふるさとづくりプロジェクト、農泊などに代表される第一次産業(農業、漁業、林業、畜産業など)との関わりによる新たな事業化であるが、その他IT・DX企業とのコラボや不動産事業との協業などいくらでもチャンスはある。ぜひ他事業との順列組み合わせを考えてもらいたい。

(4)公的予算の活用
コロナ禍で痛んだ業界のため、全国旅行支援はもちろんのこと、観光庁の看板事業など諸々の公的予算事業がある。地方運輸局、地方自治体、広域連携DMOなども同様だ。さらに直接観光ではないが関連領域として、農水省、経済産業省、総務省、文科省、環境省などにも数多くのメニューがある。ぜひ最大限活用し、今後の生き残り策を見い出すために活用してもらいたい…

(百戦錬磨・上山康博)

(トラベルニュースat 2022年10月10日号)

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