相応の値上げで人件費に充てよ
コロナ禍は過ぎ去った。インバウンドも戻ってきた。中国大陸からのインバウンドが戻ればオーバーツーリズムになるのは確実だ。より一層、都心部、既存人気観光地のみならず、地方への誘客が重要になる。
地方宿泊のメインは、やはり旅館である。現在の旅館の大きな課題は人手不足であるのは衆目一致するところだ。しかし、いくら人手不足といえども、安かろう悪かろうのサービス提供は自殺行為だ。もう、そんな時代ではない。
円安基調に大きな変化はない今、すでに日本は3割引以上のディスカウント国となっている。であれば、相応の値上げをし、その値上げ分の多くを人件費に充てるべきだ。
そうなると日本人の客数が減るではないか、という声が聞こえる。その通りかもしれない。今のままの日本経済が続けば日本人の多くは海外から評価される日本の宿には泊まれなくなるかもしれない。
しかし、国そのものの経済状況を変えられない限りそうせざるを得ないのではないか。
釈迦に説法だが、単独で経営する旅館は、稼働率より単価を上げて収益を上げる高付加価値化に進むか、運営全般をより合理化して収益化を目指すか、どちらかしかないように思われる。
この2択のどちらを選択するにしても…
(百戦錬磨・上山康博)
(トラベルニュースat 2023年6月10日号)
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