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防災拠点としての住宅宿泊 「シームレス民泊」を導入する

住宅宿泊管理業の実務講習が盛況だ。

空き家を宿泊施設としてオーナー自身が運営しない場合、運営代行を委託する先は宅建業の資格を持つ不動産業者に限られていた。さらに、地方の中核都市くらいまでは運営代行を委託する不動産事業者もいるにはいるが、郊外に行けば行くほど委託先はわずかとなっていた。

そこで、本年度からは国土交通省指定の実務講習を受け、修了さえすれば宅建業者でなくても住宅宿泊管理業が行えるようになった。

そうして始まった実務講習だが、事前広告なしにも関わらず、設定した席数すべてが募集当日に満席となっている。事務局の農協観光協会もすぐ追加設定をしているが追加分も満席だ。この研修を国土交通省に働きかけ、規制改革会議でも推進する立場で発言してきた私にとっては感極まるところだ。

899万戸となる空き家をどう利活用するのか、今まで同様に宿泊施設として活用するは大前提であり、講習受講者には既存のホテルや旅館関係者も受講しているようだ。これは、自身の宿機能にプラスして長期宿泊滞在者向けの「住宅」という「離れ」を提供するものであり、新たなターゲットに向けた新規事業である。

そこを見据えた受講者がいることを想定はしていたが、実際に動き出したところを見ると今後の地方の空き家利活用に光明が差したと感じる。

そして、空き家利活用での住宅宿泊をベースにさらなる機能を持たせたい。

それは「防災」である。

常日ごろは宿泊施設として運営し、災害発生時には「避難所」とし、その後は「被災者住宅」としても活用する…

(百戦錬磨・上山康博)

(トラベルニュースat 2024年6月10日号)

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