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「わかやま12湯」に見た可能性

10月2日「第4回わかやま12湯サミットin熊野本宮大社・川湯温泉」に参加した。本紙から声をかけてもらったのだが、親交の深い田端元観光庁長官と、観光に愛を持つ数少ない国会議員、自民党観光立国調査会長でもある鶴保庸介参議院議員も参加すると聞き参加することにした。ただ、肝心のサミットに関してはもうひとつ趣旨を理解していないままの参加だった。

結果として参加して本当に良かったと思う。和歌山県を代表する12の温泉地と和歌山の地元密着型の旅行会社各社が手に手を取って地域活性化のために取り組んでいた。

和歌山の温泉地といえば真っ先に出てくるのが白浜温泉だろう。温泉そのものも然りだが、観光関連施設も多くネームバリューとしては完全に全国区である。

しかし、その白浜温泉も12湯のひとつとして和歌山地域全体の活性化のために当たり前のように参加している。

過去、日本中どこにおいてもPRなどの取り組みは個別個社単位であり、〇〇ホテル、〇〇旅館としての活動が主であった。しかし、OTAの伸長拡大により、個社単位の競争はウェブ、OTAで繰り広げられるようになり、相対的に重要なのは、どの方面に行くか、どの県で選ぶかというディストネーション競争となっている。

そこで、和歌山全体として、和歌山の温泉地が大同団結して国内外に対してPRすることは非常に重要であり、将来に向けて期待の持てる取り組みといえる。

さらに、地域密着型旅行会社各社が主導している事に大きな意味がある。私は常々発言してきたが、地域密着型旅行会社(主にANTA)の目指すべきはランドオペレーターであり、それを仕組み的に販売できる可能性を持っているのは「地旅」であるのは間違いない。

その「地旅」をランドオペレーターの武器とするには、さらなるコンテンツの充実、インバウンド対応、ウェブマーケティングなどが必要であり…

(百戦錬磨・上山康博)

(トラベルニュースat 2024年10月10日号)

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