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アルベルゴディフーゾ 観光まちづくりの新たなキーに

日本国内でアルベルゴディフーゾ(分散型ホテル、地域丸ごとホテル)が急増している。アルベルゴディフーゾはイタリア発祥の空き家対策であり、観光まちづくりとして大いに成果をあげた手法である。

 月24日、宮城県蔵王町の別荘地にあるガイアリゾートが世界で初めてオスピタリタディフーザ(アルベルゴディフーゾの広域版)として国際認証された。また、同日に旧宿場町である宮城県村田町でも、武家屋敷や古民家群がアルベルゴディフーゾスタートアップとして国際認証された。

さらに、6月1日には長崎県平戸市が自治体として、こちらも世界で初めて、アルベルゴディフーゾタウンとして行政に対して国際認証されており、今後は平戸市が主導する形で平戸市内にアルベルゴディフーゾを複数展開し、新たなまちづくりに取り組む。

また、富山県射水市でも通常のアルベルゴディフーゾとしてスタートアップから本認証に移行している。

このように全国各地域でアルベルゴディフーゾが広がっている背景には拡大する「空き家問題」がある。

総務省の統計では日本国内には約900万戸の空き家があるとされ、その対策として以前から進められている除却だけでは難しく、加えて空き家の利活用を進めていかなければならない状況となっている。その利活用のあり方として、日本政府としての政策は「移住」から「二地域居住」へシフトをしている。

これにより単純な「移住」では解決できない「空き家問題」(結局、移住では新たな空き家を作ってしまう)を解決しようとしている。いわゆる別荘を増やそうということである。

しかし、単に別荘保有を増やすのではなく、別荘そのものからも収益を得られるようにすることで、別荘保有(二地域居住)を増やすことが可能ではないか、と考えられている。

その収益の源泉となるのは「宿泊」であり…

(百戦錬磨・上山康博)

(トラベルニュースat 2025年6月10日号)

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