観光地でも路上禁煙(3)
長野県松本市の山岳リゾート、上高地でも07年から歩行喫煙禁止の取り組み「歩行喫煙ゼロキャンペーン」がスタートした。こちらは条例ではなく、松本市と上高地町会の話し合いで実施が決まった。上高地のほか、穂高連峰など周辺の山岳エリアまでを対象にしている。
歩行喫煙ゼロを目指す上高地
キャンペーンでは「上高地ではきれいな空気をお勧めします。歩きタバコはやめましょう。近くに人がいる場所での喫煙はやめましょう」などと、マナーの向上を呼びかける。
上高地では、上高地観光旅館組合が隔週で上高地清掃活動を行っており、毎回、青年部員を中心に40―50人が参加する。参加者は歩行喫煙ゼロをアピールする腕章をはめ、途中、ハイカーや観光客に声をかけ、ゴミのポイ捨て禁止や喫煙に関する協力を要請している。
上高地町会長で上高地温泉ホテルの青柳薫さんは「皆様に、きれいな空気を吸いながら、気持ちよく上高地の散策を楽しんでほしい」と、歩行喫煙禁止に継続して取り組む意向を示している。
日光は活動が休止状態
一方で、路上喫煙禁止の条例を施行したものの、活動が休止状態のケースもある。
栃木県日光市は03年5月に「環境美化都市に関する条例」を施行し、世界遺産の建造物群と周囲の山林約50ヘクタールを、罰則のない歩きタバコ禁止エリアに指定した。
東照宮や二荒山(ふたらさん)神社など、日光の寺社が99年に世界文化遺産に登録されたのを受け、観光都市としてのイメージアップを目指した。
しかし、06年3月に日光市を中心とする2市2町1村による大型の町村合併があったことで、条例への関心度は相対的に低下してしまったようだ。
現在、路上喫煙防止についての具体的な活動は行われていない。
(トラベルニュースat 08年5月25日号)