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「地旅」この1年が勝負 全旅、着地型旅行へ本腰(2)

―着地型旅行が思うように普及しません。

池田(以下、略) 私は、我々中小旅行会社が勝ち組になるか、負け組になってしまうかは地旅、着地型旅行をやるか否かにかかっていると考えています。地元の方と一緒になって地旅を造ることで地元が潤い、次は地元の方が他地域へ旅行する。そうした形で国内旅行市場が循環することで、我々の業界も活性化します。そのため私どもの全国10支店、これはANTAの地方協議会と同ブロックですが、そこから熱意のある人を募り「地旅推進協議会」を立ち上げます。

7月中に協議会発足 商談会開き"商魂"注入

―協議会が地旅普及の母体になるわけですか。

そうです。推進協議会は7月中に発足し、それぞれの地域で10月までに地旅を商品化してもらいます。

―これまでも、商品を造っても販売流通が課題だとされてきましたが。

OATA(協同組合大阪府旅行業協会)が着地型旅行として企画している天神祭の船渡御体験は、今年から全旅でも販売協力を始めました。こうした形で、ANTA会員から着地型旅行を提供してもらい、販売のお手伝いをするのが私どもの使命です。

流通に関しては、私たち中小旅行会社は人対人、人のつながりが基本です。ですから、着地型を提唱し始めた当時の原点に戻り、相手の顔を見てやりとりができる「地旅大商談会」を予定しています。来年3月に静岡県で行われる国内観光活性化フォーラムの前日、16日に開催の予定です。

地旅推進協議会を通じ私どもで集約した地旅を提案しながら、発地のニーズを踏まえたアレンジを行い、一緒になって地旅マーケットを創り上げていこうという会員と連携を深める場にしたいと考えています。

地旅、着地型は不特定多数のばらまきではなく、この商品はここ、というように販売地域を特定し、その地域のANTA会員と地旅商品を詰めていかないと流通しません。ですから、しばらくは対面販売での流通が主になるでしょう。

―「ANTA―NET」はどうするのですか。

BtoBは少し早かったのかもしれません。ただシステムとしては非常に優れていますので、来年2月までにリニューアルを完全なものにします。そしてもっと消費者向けにして、地旅の考え方や商品内容が分かりやすく面白いと思えるサイトにします。

いずれにせよ地旅、着地型旅行の必要性は認識されてはいます。私どもは、そこに"商魂"という魂を入れ、会員の皆さんに役立てるようにする。ここ1年が勝負だと思っています。

本紙読者は― 「流通」「儲け」改善で着地型旅行にチャンス

本紙発行「大阪案内所要覧」を購読いただいている旅行会社に、着地型旅行についてアンケートを行った。

着地型旅行の今後に関して「有望」と回答したのは1割にとどまったものの、「課題を改善すればチャンスはある」が50%を超えた。普及しない理由、課題と感じているのは「流通」と「儲からない」がいずれも20%以上にのぼった。「業界内のまとまり」を課題とする回答も17%あった。

着地型旅行の普及流通のための具体的な意見は「発地商品を主とした業務フローを変えていく必要がある」「着地と発地でキャッチボールできる組織づくり」「行政との連携強化」などだった。

(トラベルニュースat 08年6月25日号)

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