観光立国推進計画 目標数値の1年後(4)
北海道洞爺湖サミットが7月7―9日に開かれた。今年、日本で開かれる最も目立った国際会議といえるだろう。
「5」 5割増へライバル国と競争
日本における国際会議の開催件数(参加者300人以上、参加国5カ国以上などの条件がある)に関する拡大目標は、05年の168件から11年までの6年間に5割増やそうというものだ。件数では年間252件が目標となる。唯一達成年度を11年に置き、アジア・ナンバーワンの座も目指す。
「06年以降、国際会議に関する情報収集や誘致活動が進化しています。07年からは国の予算的な支援策もでき、国交省だけでなく外務省など省庁と自治体の連携も増えています」。
日本政府観光局(JNTO)でコンベンション誘致を担当する小堀守さんは、この数年でJNTOが誘致に関与した国際会議が70件に及ぶことや、90年代に年間200件の開催実績があることなどから、目標の達成は可能だと考えている。
07年の実績はまだ発表されていないが、ある程度の手応えも感じている。
ただし、課題もある。国の財政的な支援があるといっても、ライバルとなるシンガポールには、はるかに及ばない。英語能力の高い誘致担当者の層も、韓国と比べれば薄い。こうした条件を抱えながらの競争が続く。
こうしたなか、会議開催の取りこぼしを減らすことも目標達成の1つの鍵となりそうだ。国際会議の需要があっても、例えば東京では、秋に会場を確保できないこともある。こうした情報を共有し、代替地へ誘導できれば、会議の数を増やすことができる。
日本で開かれる国際会議は東京、横浜、京都に集中しているが、日本には国が指定した国際会議観光都市が51あり、これら開催都市の選択肢の多さを、うまくアピールできれば強みになる。
(トラベルニュースat 08年7月10日号)