夏商戦、異状あり ガソリン価格高騰 業界の対抗策は(3)
一方、旅行会社もプランやキャンペーンを展開し、旅行需要の低減に待ったをかける。
旅行会社は―
JTBは、夏の国内旅行申し込み喚起策として「ファミリー旅行応援キャンペーン」を9月30日まで展開している。指定のエースJTB商品を申し込んだ人にガソリン代の支払いが可能な「QUOカード」1000円分を進呈する。
JTB首都圏や法人東京、トラベランドなどが参画。関東近郊1都11県の商品を対象に、QUOカードを先着1万3000組に配布する。
JTB広報室は「ガソリン高騰など物価高で暗いムードを払拭したいと企画しました。マイカー旅行をしたいという声は強く、国内旅行需要は今のところ低下していないと見ています。体験プランなども含め、いかに利便性を高め、このご時世にも旅行に行ってよかったと思えるような満足度を高める企画ができるかどうかがカギでしょう」と国内旅行需要の冷え込み回避に自信を示す。
KNTは、4月から栃木県・那須塩原の商品でガソリンチケット付きプランを販売するなど、いち早くこの問題に着手。6月27日からは静岡県伊東温泉や群馬県・北軽井沢などホテル5軒の宿泊客を対象に、ガソリン20リットル券付きプランの販売を始め、関東近郊を中心に旅行需要の喚起を進めている。
一風変わっているのが日本旅行。マイカーのナンバープレートの下2桁の合算数で割引率が決まるというプランで、伊豆地方を対象に実施していた。販売はすでに終了しており今後の実施は未定だが、企画の面白さは好評で、日本旅行広報室は「対象地域の拡大や、秋口の実施も検討したいと考えています」と話している。
ガソリン高に、旅館ホテルや旅行会社は各種サービスで太刀打ちする。高騰は今後も続くと予想され、業界は旅行需要喚起に一層の対応を迫られそうだ。
(トラベルニュースat 08年7月25日号)