定額給付金をねらえ 各地・各社で需要喚起にプランづくり(2)
群馬県・みなかみ町は「定額給付金温泉旅行」プランを打ち出し、3月5日から宿泊予約の受け付けを開始した。
温泉地・旅館ホテルは―
みなかみ町観光まちづくり協会を通して宿泊予約すると、チェックイン時に宿泊客1人につき1―2千円がキャッシュバックされる。返還分は旅館ホテルと町が折半で負担する。現金決済などが条件で、1泊2食付き大人料金が8千円未満の宿泊料金で1千円、8千円以上で2千円をキャッシュバック。申し込みが1万5千人に達した時点で受け付けを終了する。
普通のキャッシュバックプランながら「給付金プラン」と銘打ったことで、多くのマスコミがキャンペーンを取り上げた。プランには、同まちづくり協会に加盟する宿泊施設99施設のうち68軒が参加している。
4月3日時点での申し込み人数は約4千人。当初、宿泊利用期間を3月15日―4月30日にしていたが、5月31日まで1カ月延長した。今のところ申し込み人数は予想を下回っているが、キャッシュバックは連泊にも適用され、チェックインのときに受け取れることから、館内需要にもつながっているようだ。
同協会では「これから給付金支給という地域が多いので、今後に期待しています。連泊利用やリピーターもあり、平日への分散化も見られます」と話している。
滋賀県大津市のおごと温泉でも3月1日から「定額給付金 得々プラン」を打ち出した。こちらもいち早く、定額給付金を冠したことでマスコミに取り上げられることが多かったそうだ。
プランは、通常1人1万5千円の宿泊料金を3千円割り引き1万2千円に設定した。1室2人以上の利用などが条件。おごと温泉旅館協同組合によると、プランが終了する6月30日までの予約分を含め3月末現在で221件、505人が利用、申し込みしている。おごと温泉の全旅館8軒が参加している。
一方、金券1千円分がついた定額給付金宿泊プランを打ち出しているのは福岡県の原鶴温泉。
旅館組合加盟旅館が対象で、参画施設ごとに1日5組限定でチェックイン時に、金券「あんげこんげ振興券」をプレゼントする。宿泊料金は8千円、1万円、1万2千円。休祝祭日の前日はそれぞれ2千円アップ。旅館ホテルに直接予約する。
金券は「みらい原鶴」に加盟している旅館ホテルや飲食店、土産物屋、タクシー会社、マッサージ店などで使用できる。
宿泊対象期間はゴールデンウィークやお盆などを除く4月1日―9月30日まで。金券の使用期間は10月末まで。
静岡県の伊豆長岡温泉では2月22日から、1万円の宿泊割引券「定額給付券」キャンペーンを始めた。5月末までにハガキで応募すると、7月末まで33軒の旅館ホテルで使える給付券が抽選で1千人に当たる。4月現在、応募者数は約1万2千人で、伊豆長岡旅館協同組合では「温泉の知名度アップにも効果がありました」としている。
(トラベルニュースat 09年4月10日号)
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