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旅館お取り寄せ 地域経済を活性化(2)

山形県かみのやま温泉・日本の宿古窯は2年前に公式オンラインショップ「四季彩園」をオープンさせた。四季彩園のページには「山形の高級旅館として多くの食材を厳選してきた経験を活かし、皆様に山形の美味しいものをご紹介しています」とある。

日本の宿古窯 特製ビーフシチュー 充実するラインナップ

商品ラインナップは常時30―40種類。これに山形を代表するさくらんぼなどの季節商品が年間20種類ほど加わる。オリジナル商品に加え、山形の特産品も多い。

売れ筋商品は客室のお茶請けとして出している「くるみゆべし」や「らくやき」といった菓子、それから古窯オリジナルビーフシチューなど。宿泊経験者は、主に自社オンラインショップから、宿泊経験のない人は5年ほど前に出店した楽天市場を利用するケースが多いという。

そもそも四季彩園は、姉妹店「銀座日本料理古窯」のビーフシチューがテレビ番組で取り上げられ、問い合わせや注文が殺到したことが開設のきっかけになった。缶詰とレトルトのビーフシチューを開発し、ラインナップに古窯の人気メニューでもある山形牛や米沢牛も加え、徐々に取り扱い商品を増やしていった。

なかでもヒット商品となったのが、古窯おせち料理。2万3000円の商品を今年はオンラインで400セット、デパートなどへの卸売りで1400セット販売した。年間でも最も販売額の大きい商品になっている。

ウェブデザインも含め、四季彩園の管理を担当する門間悠子さんは「まだ売り上げはそれほど多くなく、ショップの運営も旅館の売店の延長といった感じです。今後は、もっとPRに力を入れ販売を伸ばしたい。おせち料理に続くヒット商品も開発したいですね」と話している。

三朝館 アメニティグッズ 

鳥取県三朝温泉・三朝館は会員制のウェブショップ「こばしま」を昨年11月からスタートさせた。リピーター需要を増やすため2年前に導入した会員制度で、会員に還元するサービスとして開設した。三朝温泉のオリジナル化粧水「三朝みすと」や地元特産品などを取り扱っている。

会員制度「つばき倶楽部」は宿泊客にポイントを付与し、ポイント数に応じて次回宿泊時の割引などに応じている。従来、貯まったポイントは来館し宿泊することでしか使えなかった。そのため、「こばしま」を設け、貯まったポイントだけでも商品が購入できるようにしている。会員登録はウェブ上でもできる。こばしまとは倉吉の方言で「小休憩」という意味だそうだ。

商品は、三朝館で使っているシャンプーなどアメニティグッズ、地元産のミネラルウォーター、天日干しのコシヒカリ、山陰の銘菓など。冬はカニなども扱う。今後は、三朝館の調理長がレシピや味付けを監修しオリジナル佃煮セットを開発するなど、地元産品にこだわった品ぞろえをしていく。7月からはカード決済ができるようにシステムも更新した。

秋山雅実支配人は「ネットの宿泊予約で値引きによって訴求力を持たせるのではなく、ポイント制の導入で次回宿泊につなげてもらおうと考えました。『こばしま』によって三朝館ファンを増やすことにつなげたいですね」と話している。

(トラベルニュースat 09年7月10日号)

旅館お取り寄せ 地域経済を活性化(3)に続く

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