旅館お取り寄せ 地域経済を活性化(3)
長崎県雲仙温泉・雲仙福田屋が「雲仙福田屋特製 卵かけご飯醤油」を発売したのは5年ほど前。昆布で出汁を取り、帆立貝のエキスを加え辛さを抑えた醤油を調理場が開発。地元の醤油屋にレシピを提供し醸造を開始した。売店のヒット商品として1本150ミリリットル380円が多い時で年間1万3千本売れる。
雲仙福田屋 卵かけご飯醤油 地元業者と連携商品
数年前からはウェブサイトでの注文も受け付け、5本セット1800円と、醤油2本と雲仙たまご10個、これに卵かけご飯専用茶碗をセットしたこだわりセット2500円を販売している。卵かけご飯専用茶碗は、既存の市販品を仕入れている。ご飯と卵を混ぜてもこぼれないよう、深く、軽く、熱くなりづらいそうだ。
卵かけご飯醤油は、お土産として売店で購入する人が圧倒的に多いが、ウェブサイトで利用できるようになって追加注文に便利だと好評だ。
これだけ売れるにはわけがあった。雲仙福田屋では朝食に卵かけご飯を出している。朝食に生卵はよくあるが、ここでは、ご飯に割った卵を載せた状態で出している。ご飯を混ぜ醤油をかけ喜んで食べてくれるそう。
「旅館名をつけた地場産品の開発や販売を積極的に行っていくことを雲仙市も奨励しています。製造が地元の醤油屋さんですので、地場産業の浮揚にもつながっているのかなと感じます」と経営者の福田努さん。
倉敷旅館御園 サワラの味噌づけ
岡山県倉敷市の旅館御園は、9年前から通販に取り組む"老舗"。夕食に出した「サワラの味噌づけ」が好評で、当初は持ち帰ってもらっていたが、その数があまりに多いので本格的に通信販売をすることにしたそうだ。多いときは月100万円にもなったという。
ただ現在はサワラの漁獲量が瀬戸内海で激減したため販売を休止しており、冷酒とにごり酒、同館シンボルのトンボをあしらったネックレスのみを販売している。
今回紹介したお取り寄せサイトのURLは▽日本の宿古窯「四季彩園」http://www.shikisaien.com/▽三朝館「こばしま」http://www.misasakan.co.jp/shop/▽雲仙福田屋http://www.fukudaya.co.jp/▽旅館御園http://www.misono21.com/。
(トラベルニュースat 09年7月10日号)