誘致のカギは地域力 Japan Mice Year記念シンポ(2)
最初に講演したICCA(国際会議協会)元会長のトゥーラ・リンドバーグさんは、MICEのサービスプロバイダーとしてコンベンションビューローの大切さを訴えた。「MICE誘致は、プロダクト、ターゲット、クライアントのニーズというマーケティングをデザインして取り組まなければならない」とし、MICEが「日本にビッグチャンスをもたらすのは間違いありません」。
かけがえのない価値や体験
MCIグループDMC(デスティネーション・マネジメント・カンパニー)部門統括バイスプレジデントのパトリック・M・ディレイニーさんはDMCの役割について話した。「お客様に価値あるものを提供できるかがポイント。ユニークなかがえのないノウハウを持っているはずで、それをサービス、ビジネスにつなげられるかです。ホテルや会議場が良くてもMICE誘致につながるわけではありません。一番は地域の魅力です。地域を売ることができれば後はついてきます」。
IHG・ANA・ホテルズグループで日本国内ホテルの会議やイベントを手掛けるエリック・ディグネジオさんは、ブランドの創出につながるロイヤリティプログラムの構築が大切だと強調。インターコンチネンタルホテルでは「その土地ならではのかけがえのない体験の提供を念頭に置いています」と語った。
国際会議運営の専門家で、川島アソシエイツ代表の川島久男さんは、MICEの国際組織に加盟するなどネットワークの強化を図ることで、競合国の重要な情報を入手すべきと話した。その上で「MICEを地方に誘致するためには、従来の御用聞き型の営業は限界があります。MICE主催者が抱える問題をトータルで解決するため役に立つ提案で信頼を勝ち取る『ソリューション誘致』に取り組むべきです」と語った。
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