復興の槌音 九州新幹線・女将が送る"風"(2)
6月18日、JR大阪駅で関西・九州交流イベントが行われた。3月12日に始まった山陽・九州新幹線の直通運転が100日を迎えるのを記念したもので、JR西日本とJR九州のほか、関西と九州の自治体の観光担当者、ゆるキャラが集い、相互交流の推進をアピールした。
九州新幹線全通100日 観光大動脈へ意気込み
九州新幹線が全線開通したのは、東日本大震災が起こった3月11日の翌日。関西、九州双方で予定されていた開業式典はすべて中止され、非常に静かな出発だった。それから100日。真新しい大阪ステーションシティの「時空(とき)の広場」は改めて祝賀ムードに包まれた。
JR西日本の佐々木隆之社長は「双方でPRし、交流を深めていきたい。一過性ではなく九州新幹線を大きく育てていきたい」と話した。
JR西日本によると開通から3カ月の時点で、新大阪―西明石間の利用者数が前年比4%減だった一方、小倉―博多間は同17%増、博多―熊本間は同35%増を記録。西へ行くほど増加が顕著で、営業本部の橋本修男部長は「九州島内で動くお客様が目立つが、今後、関西と九州の交流人口の伸びしろは非常に大きいとみている」と期待する。
同社では現在、熊本、宮崎、鹿児島3県と「九州新幹線で行こう!キャンペーン」を実施している。割安な企画切符を設定し、大手旅行会社も商品を設定している。本来は相互交流を促す目的だったが「関西から九州」の動きが圧倒的に多いという。10月からはJRグループと3県のデスティネーションキャンペーンも控えている。さらに客の流れに拍車がかかると予想されるが、発地・九州を開拓し、インバウンドをも見据えた「新ゴールデンルートの構築」(橋本部長)と、観光大動脈づくりに意気込む。
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団扇の風を送ります
我々の業界の復興が経済を活性化させます。観光業界から風を―。6月7日、JR品川駅に全国47都道府県の旅館女将が集まり、1万本の団扇を配布する震災復興イベントを行った。
観光業界から復興の風を、という願いから団扇の配布を行った。観光庁の溝畑宏長官も女将と一緒になって品川駅を行き交う人たちに団扇を配りイベントを盛り上げた。