多様性への寛容―ツーリズムEXPOジャパン(1) 観光大臣級会合を初開催
9月20―24日の5日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン2017」は、世界観光大臣級会合の実施や、来場者数が過去最多の19万1500人に上るなど、世界を代表する国際旅行博としてのステイタスを高めることに成功した。なかでも初日にステージ上で行われた13カ国の観光大臣級会合は、国連が制定した2017年の「持続可能な観光国際年」の位置づけと、今後の世界のツーリズムの方向性を明確に示すものとなった。
「世界はツーリズムを必要としている」 13カ国が議論交わす
「交流の力を訴えたい。エキスポが観光を通じた平和につながるイベントになることに期待したい」。主催者あいさつで、日本観光振興協会の山口範雄会長は、こう力を込めた。
同時期、9月18日から25日までニューヨークで開催された国連総会の報道では非難と対立、圧力と非寛容が目立ったのに対し、ツーリズムEXPOジャパンで行われた世界観光大臣級会合の主役は、多様性への寛容や、破壊でなく持続可能性の呼びかけ、交流の継続による平和への道筋への支持だった。
世界観光大臣級会合は、UNWTO(世界観光機関)のアニータ・メンドリラッタ特別顧問が司会を担当し「私たちの世界はツーリズムを必要としている」と話し、会合の扉を開いた。
2日前に発生したメキシコ地震の犠牲者に対し、参加者全員で黙とうを捧げたのに続いて、メキシコのエンリケ観光大臣(地震のため急きょ帰国のため代理)とマレーシアのナズリ観光大臣が基調講演を行った。
「メキシコは世界8位の国際観光目的地であり、GDPの8.7%をツーリズムが稼いでいる。68の言語と多様な文化がある。ツーリズムにより世界の文化遺産を保護することができると確信している」
「持続可能なツーリズムは経済に大きく貢献している。マレーシアのエコツーリズムは、今後6年で市場の25%を占めるだろう。エコツーリズムは責任あるツーリズムと同義語であり、多様な文化や遺産を守ることができる」
(トラベルニュースat 17年10月10日号)
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