四字熟語で2019年の観光を占う(2) 祭色健備・適前闘紡
備えあれば飛躍の年に
【祭色健備】は、橋爪さんの「健」と山田さんの「備」から。2人とも今年のラグビーW杯日本大会、来年の東京オリンピック・パラリンピックと世界的な祭事で日本が一色に染まることを見据える。
橋爪さんの「健」は、二大祭事で「健康を重視する風潮が高まり、スポーツツーリズムの可能性が高まる。観光業界も盛り上がることになるのではないか」とみる。加えて、橋爪さんが基本構想や会場計画の立案に深く関わった2025年国際博覧会の大阪開催も決まった。同博テーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」にも「一人ひとりが生命の大切さに思いを馳せ、健やかな生活を営むことができる世界の実現を目指そうという想いが託されている」。
山田さんは、世界的なイベントの「備」が大切とするとともに、ここ数年相次ぐ気候変動に伴う自然災害への「備」の重要性も指摘。「予測不可や想定外の出来事、災害が相次ぎ、今やリスクマネジメントではなく、クライシスマネジメントが必要な時代。ソリューション国家日本として、どう対応するかが問われている」とする。
本来の「才色兼備」にふさわしい、すぐれた才能を発揮する場を提供できるようにし、美しい全国各地を継承し伝えるツーリズムが実現する—そんな2019年になるように備えを確かなものにしたい。
【適前闘紡】は、井村さんの「闘」から。宿泊施設の新設・増設ラッシュの一方で人手不足が問題視される中「客室清掃部門などのサービス生産部門とも、モンスターカスタマーといわれる顧客とも闘いがはじまる。そこでいかに新たな下請け構造を生むことができるのか、新たな顧客関係を構築できるのか、この時期にそうした方向性が見えてくるのではないか」とする。「敵前逃亡」ではなく、顧客や下請け事業者に適した関係を紡ぐための新年にしたい。
また、井村さんは「屋根と壁と床があれば何でもオッケーかもしれない」とし、テント旅館や棺桶ホテルなど「これまで以上に非日常的な空間の創造こそが人気になるのではないか」「宿泊施設は長期ビジネスではなく、短期ビジネスになるかも」と予測。
(トラベルニュースat 2019年1月1日新年号)
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