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自治体で広がる観光自主財源 日本交通公社刊「旅行年報2018」を読み込む(2) 訪日市場好調の要因は「価値と品質に割安感」

宿泊税や入湯税 旅行者に負担の流れ

自治体の観光政策にもいくつかの特徴が指摘されている。02年に東京で導入された宿泊税は、大阪府、京都府、金沢市が導入もしくは実施を準備、また入湯税を引き上げる自治体など、自治体が自主財源を目指す動きに注目している。DMOの持続的な運営や受け入れ態勢の整備に、受益者である旅行者に負担を求める考え方を実際に施策として実現する動きがあることを指摘している。都道府県と市町村で異なる観光施策への考え方や関心度も紹介している。

同財団では昨年10月29、30日、東京・青山の財団ライブラリーで旅行年報を基にした旅行動向シンポジウムを開き、分野ごとに調査をまとめた研究員が概要を説明。

旅行動向シンポジウム

分野ごとの調査結果を研究員が説明した
旅行動向シンポジウム(昨年10月末)

インバウンド市場の動向について同財団の川口明子主任研究員が報告。17年の訪日旅行者は全体6割をリピーターが占めた。台湾、香港は8割を超えている一方、最大の訪日国である中国は約6割が初訪日で、将来的な伸び代が期待できる。

訪日市場の変化では、訪日客の急増に為替の動向が寄与していることが分かる。訪日市場は03―07年の「緩やかな拡大期」、08―12年の「停滞期」、13―17年の「急速な拡大期」と局面を捉えることができる。13年以降は円安基調が続いており、円安に加えて「日本旅行の価値と品質に対する割安感がある」ことが急成長を後押ししていると見る。

このほか別の研究員からは、宿泊業の設備投資が17年はバブル期ピーク並みの6千億円規模に上っていることが紹介されていた。

(トラベルニュースat 19年1月25日号)

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