“再開”準備を怠らず 近藤ANTA副会長にコロナ禍対応聞く(1) 政府へ苦境訴え成果得る
全国5600の旅行会社が加盟する全国旅行業協会(ANTA)。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う移動自粛で、会員会社の経営が打撃を受けている。この間、ANTAはどう動いたのか。近藤幸二副会長(岡山県倉敷市・全観トラベルネットワーク)に電話とメールで伺った。
実態経済の厳しさ、首相へ 緊急経済対策に実を結ぶ
―新型コロナウイルス感染症の発生から現在に至るまでのANTAの動きを教えてください。
ANTA会員の経営状況に関する緊急調査を随時行い、会員の皆さんから寄せられた貴重な声を要望事項として取りまとめました。その諸々の事項を政府与党や観光庁に対し、厳しい経営環境に置かれている旅行業者の現況を理解いただいて、緊急支援策や、終息後においてはこれまでにない規模の旅行振興施策を実施してもらえるように要望しました。
なかでも3月23日に首相官邸で行われた第4回「新型コロナウイルス感染症の実態経済への影響に関する集中ヒアリング」には日本旅行業協会(JATA)、日本旅館協会、日本バス協会など運輸、宿泊・観光業界から代表8人が出席しました。ANTAからは私が出席し、代表8人は安倍晋三首相や麻生太郎財務大臣、菅義偉官房長官ら関係閣僚へ我々が置かれている立場や会員の実情を訴えてきました。
その後の安倍首相の会見で強大な緊急経済対策に取り組むことが表明され、ヒアリングでANTAが要望した(1)中小旅行業者を対象とする緊急融資(2)雇用調整助成金(3)地方公共団体、教育機関などの公的機関による過度な旅行抑制への対応(4)国の感染症防止対策についてわかりやすい正確な情報提供(5)日本人の旅行需要の喚起のための旅行促進施策の実施―など、内容の多くが4月7日の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に盛り込まれました。
また別途、観光庁から中小旅行業登録要件の緩和を追加してもらえるという成果を得ました。
(トラベルニュースat 20年5月25日号)
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