新しい旅行スタイルの確立 全旅・中間幹夫社長にコロナ対応と“収束後”を聞く(2) 地元旅行は中小零細に好機
地元の隠れた観光地にスポット当たる
―県や市町村単位で地元旅行の需要喚起策も行われ始めました。地元旅行は全旅ブランドの「地旅」とも重なります。地元旅行会社はどのようにアプローチしていくべきでしょうか。
「地旅」=着地型観光という視点に向ければ、大きなチャンスと考えます。現段階では地元旅行を中心とし、改めて自分の住んでいるまちに意識を傾けることによって、地元の隠れた名所を知る機会ができると期待しています。ただし、近隣旅行とは言え、先述しているとおり、旅行に対するマイナスイメージが払しょくしない中、大きくマーケットが動くとは思えません。
そこで、観光行政などとタイアップし、観光関連の政策を一緒に練り上げ、消費者に地元旅行に対する期待を高めていくことが重要です。そのことが、中小零細である我々旅行会社が地元と密着した商品を造成する絶好の機会なのです。今までアウトバウンドの旅行展開をしていた会員も、今こそ我が故郷への発掘旅行も大切にする大きな使命や事業展開があると思っています。
一部の事業会社ではLCCと共同で着地型旅行に軸足を置いた商品開発の検討を始めました。商品開発によって地元の隠れた観光地にスポットライトが当たる最大のチャンスと捉えております。
―Go To Travelキャンペーンに向けた取り組みについては。
キャンペーンの事業参加の募集があった場合は、ANTA、株式会社全旅グループとして率先して参加し、会員にとって有益になることを第一に貢献したいと思っています。キャンペーンに付随する様々な事務作業をサポートできたらと考えています。
本キャンペーンは、観光庁が大きな予算で、我々観光産業にとってのリ・スタートのステージを用意してくれた事業です。このことから、観光産業は日本にとって主要産業であるからこそ、停滞、減速するわけにはいかないという決意をもって取り組む所存です。
これまでの「ふっこう割」はOTA中心になりがちで、我々のような中小の旅行会社には恩恵が少なかったように感じます。実際、会員からもそのような声が上がっていました。
しかし今回は、会員各社にも利益につながる仕組みになるようにANTAグループとして働きかける意義を感じています。本キャンペーンに希望と期待を強く感じ、本キャンペーン開始を起点に反転攻勢に努めていただけるように会員へ力添えできたら幸いです。
(トラベルニュースat 20年6月10日号)
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