まちの復活へ狼煙 大阪・道頓堀商店会が魅力発信、JTBらと共同で誘客事業(1)
大阪を代表する観光スポット「道頓堀」。ほんの1年少し前までは、アジア圏を中心に多くの訪日外国人観光客が訪れ、“インバウンドの聖地”とまで称されていた。そんな喧騒という表現がぴったりくるほど賑わっていたまちから人が消えた。あれから1年あまり、いまだコロナ禍の影響が色濃い中、道頓堀商店会(上山勝也会長)を中心とした商人らが賑わいを取り戻そうと狼煙を上げた。
「大阪商人の心意気を」 上山会長が気勢
道頓堀商店街の中央部に3月12日、串カツだるま道頓堀店がリニューアルオープンした。道頓堀名物の立体看板が真新しい新店で、ビルの屋上には高さ12メートルの巨大な「だるま大臣人形」が疫病退散のごとく、道頓堀のまちににらみを利かせている。
店を開設したのは、道頓堀商店会の上山会長が経営する一門会。これまでの店を移転し、自社ビルとして1階と地下1階に約120席を備える。オープン時には俳優の赤井英和さんやトミーズ雅さんら上山会長と親しい著名人も詰めかけ、串カツファンが列をつくっていた。
上山会長は「明るく元気な大阪、道頓堀を取り戻さなければなりません。特に、この界わいは大阪府が感染対策エリアとして赤枠として囲ったことがあり、ある意味、風評被害を受けました。でも、ぼやいていてもしゃーない。大阪商人の心意気を示し、自分たちが元気を発信していかなあかん」と話していた。
道頓堀界わいではこの1年で4割近くの店が休業や閉店に追い込まれるなど、まち全体が疲弊。商店会でも昨春から4カ月間、商店会費を免除したほか、上山会長が「全国でも聞いたことがない」という商店会が独自財源で会員店舗に5万円の対策費を2カ月間支給するなど、地域ぐるみでまちの灯を守る活動を続けてきた。
(トラベルニュースat 21年3月25日号)
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