「新」感染対策ツアーとは JATAがモニター報告(2) 安心感と費用増のバランス
新感染症対策モニターツアーを実施したワールド航空サービスの松本佳晴社長と読売旅行の坂元隆社長の会見要旨。
陰性確認で安心感 ワールド航空・松本社長
会社ではすでに4月1日からすべての国内旅行者に会社の負担でPCR検査を受けてもらっています。モニターツアーとしては奈良への15人、新潟への16人のツアーにトライしました。国内旅行にとどまらず、来たるべきインバウンド、アウトバウンドツアー再開への具体的対策、対応に生かせることに期待しています。
陰性確認の上でのツアー催行は、営業的に効果があったと考えています。コロナが心配で動いていなかった顧客、ツアー参加者が全員陰性であることに安心感を感じていただきました。旅行者だけでなく受け入れ事業者もバスや旅館、レストランの対応が一変しました。グループを受けたがらなかった事業者の対応が変化しました。
課題としては食事など自由時間のコロナ対策やCOCOAの普及率の低さです。COCOAについては参加者の平均年齢が70歳を超えていることもあり、利用率は30%程度でした。
急速にワクチン接種が広がり、この10日間くらいで確実に旅行申し込みの動きが出始めています。針が動き始めた実感があります。会社としては7月中はPCR検査前提の旅行を販売する考えです。
ツアー費負担に懸念 読売旅行・坂元社長
ツアーで陽性者を出した経験があり、昨年12月から新しい感染防止策でツアーを催行しています。今回のモニターツアーで新たなチャレンジはPCR検査で全員に陰性を確認することでした。参加者に安心感を持ってもらう効果は絶大でした。
しかし、デフォルトとするのは難しいのが結論です。すべてのツアーにPCR検査を導入するのはサステイナブルじゃないと思っています。
個人情報の取扱と同意書の取得など検査にあたっての作業上の負荷が大きい。検査費用の負担の問題もあります。1万円の日帰りバスツアーに検査費用を加算すれば1万5千円になってしまう。主力ツアーの性質上、これは難しい。ただ、高額商品については、PCRやワクチン接種証明も考えています。
(トラベルニュースat 21年6月25日号)
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