正念場の年に“再登板” JATA新会長に菊間潤吾さん(ワールド航空サービス会長)(1) 国際交流は半年後の再開へ
日本旅行業協会(JATA)は、坂巻伸昭会長の死去に伴い7月29日に開いた臨時理事会で、新会長に菊間潤吾副会長(69、ワールド航空サービス代表取締役会長)を選任した。菊間さんは2012―13年の1期2年に続く再登板。8月5日の就任会見では「コロナ禍で会員旅行会社は存亡の危機にあり、今後の1年が正念場」との認識を示し、政府や関係機関に対しコロナウイルス感染症の拡大収束を図った上で(1)ワクチンパスポートによる国際交流の再開(2)国際旅行再開のための帰国後14日間隔離の緩和(3)Go Toトラベルの早期再開―などを求めていくとした。
ワクチンパスポートに期待
菊間会長は冒頭、「異例の再登板だが、この緊急事態にJATA役員および会員の協力で大役を務めたい。旅行業界にとってたいへん重要な1年になると認識している」と覚悟を示した。
その上で「旅行業界としてもコロナウイルス感染症の収束が第一であり、安全安心の確保が最重要です。ただ緊急事態宣言が繰り返し発出され、今年の4、5月の会員の旅行取扱はコロナ前の2019年比で85%減、90%減といった厳しく、存亡の危機的状況です」と厳しい現状に理解と対応策を求めた。
また「ワクチン接種の進展を唯一の希望の光と捉え、年内の集団免疫獲得に期待し国際交流再開の準備を進めたい。ただ現状はワクチン接種の進展に関わらず、国内のコロナ対策は人流抑制の一点張りです。政府に対してはワクチンパスポートによる国際交流の再開、日常生活の回復を要望していきたい。特に国際交流については半年後の再開メドに14日間の隔離政策を緩和し、ワクチンパスポートの活用が始まっている国際社会に取り残されないよう働きかけたい」と、政府に対応を求めていくとした。
一方で海外旅行再開までの期間、旅行会社は国内旅行に依存せざるを得ないとし「Go Toトラベルの早期再開をお願いしたい。新しい制度設計のもと長い期間の運用に期待しています」と制度と運用を見直した上での早期再開を求めた。
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