新しい教育旅行のカタチ(1) 留学生と大阪のまち歩き/JTBの「B&S」
コロナ禍で大きな影響を受けた一つが学校行事。入学式や卒業式、運動会、文化祭などが軒並み中止や規模縮小になった。なかでも観光業界にとって痛手となったのが、修学旅行をはじめとした教育旅行。行き先を近場に変更するのは子どもたちにとってまだいい方で、やむを得ず中止を選択した学校も少なくなかった。ウィズコロナ下の教育旅行で新しい提案を行い、実施された2つの事例を紹介する。
大阪の魅力を同世代が紹介する着地型教育旅行プログラム
専門学校に留学している学生がナビゲーターとして同行し、英真学園高校(大阪市淀川区)の1年生とまち歩きを楽しむユニークな教育旅行が10月28日に行われた。企画は、JTBが大阪観光局と留学生支援コンソーシアムとともに取り組む体験型教育旅行「大阪B&Sプログラム」。
B&Sは兄弟姉妹を意味し、国内外から大阪を訪れる教育旅行のナビゲートを大阪府下の大学や専門学校で学ぶ学生が務めるというもの。大阪の魅力をほぼ同世代が親しく紹介する着地型教育旅行プログラムとして打ち出していた。
英真学園高校はこれまで、マレーシアなど海外修学旅行を実施。海外修旅が困難な中、生徒たちの国際交流を実現しようとB&Sを選んだ。
課外授業として行われた当日は、駿台観光&ビジネス専門学校で学ぶネパールやベトナム、スリランカなど6カ国の留学生13人が通天閣、大阪城コースに分かれて53人の高校生をナビゲート。留学生は日本語が堪能だが、生徒たちとの会話は英語でのコミュニケーションに限定した。このうち、通天閣コースは7班に分かれ、記者が同行した班は電車を乗り継ぎ、新世界を散策。通天閣の展望台から見つけた大阪城天守閣を生徒が留学生に、一生懸命に英語で伝えていた。
修旅再開とともにB&Sの問い合わせは増加しており、JTBなどでは大阪ならでは教育旅行としてアピールしていく。
(トラベルニュースat 21年11月10日号)
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