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四字熟語で2022年の観光を占う(3) 恩拓広大・楽財忍環・転化太平

地域資源で未来を拓く

【恩拓広大】 井村さんが選んだ「拓」から、注がれる愛や慈しみが極めて大きいことを意味する四字熟語「恩沢洪大」を転じた。

井村さんは「バーチャルな旅行やワーケーションなどが本格的になり、一つの商品として確立」したのは「コロナだからではなく、そのアイデアを生かして新たな商品として命が吹き込まれた」とみる。特に分身ロボット(アバター)を活用して「障がい者や高齢者でもどんな人でも海外旅行に行ける。宇宙旅行も」と、未来を拓く旅の開発に期待する。

誰もが観光、旅行を楽しめるよう慈しみの心を持って、最新技術も駆使すると、我々のやるべきこと、市場は広大に違いない。

今こそ人の環を広げる

【楽財忍環】 佐藤さんが選んだのは「忍」。「残念ながら耐え忍ぶしかないと思います」と今年1年を見通す佐藤さんだが、人との交流や仲良くすることに本当の楽しさがある―を意味する四字熟語「楽在人和」をあてた。

いまコロナ以外にも不安材料はてんこ盛りだ。北京五輪を目前に控える中、米中関係の不透明感が日本にも暗い影をさす。「米国に追従して中国非難にまわろうとしており、中国が数年前の対韓国のように『日本へ訪問禁止令』を出すようになれば…」と佐藤さんが憂うのは、仮に感染が収束してもインバウンドの回復に水を差すのは間違いないから。Go To再開へ過度に期待するのも「ほかに不祥事が明らかになったら…」と不安視する。

それでも、耐え忍ぶ中に人の環を広げていくことが将来の楽しみ、財産になっていくのだろう。そんな思いの「楽財忍環」だ。

自ら変転し反転攻勢

【転化太平】 「転」を選んだ山田さん。今年は「観光業界が『反転攻勢』に打って出る年」とみる。

ただし、自ら「変転」しないと反転攻勢には出られない、と山田さん。「これまでのやり方を、売り方を『変転』することができるか?」。山田さんはそれを「イノベーション」だと訴える。でも「『空転』しないように気をつける」こととアドバイス。「業界や地域で『逆転勝利』に結びつけましょう」。

その先には、業界にも地域にも世界の人々が笑顔で過ごすことができる「天下泰平」が必ず待っているはずだから。

(トラベルニュースat 22年1月1日号)

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