ポストコロナはLGBTQ 大阪観光局(1) 24年にIGLTA総会誘致
性的マイノリティに関する理解や共感を、旅や観光の力で広げていこう―。ポストコロナ期の日本で「LGBTQツーリズム」の取り組みが本格化しそうだ。国内だけでも血液型のAB型とほぼ同比率に当たる総人口の8・9%がLGBTQとされ、国際旅行における市場規模でも約25兆円に達するというLGBTQツーリズム。日本国内ではほぼ未開拓の市場に大阪観光局が乗り出し、コロナ禍からの観光復活のけん引力として期待している。
LGBTQツーリズムの先進都市に
LGBTQはレズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字に加えて、自身のジェンダーやセクシュアリティが定まっていないクエスチョニングからなる。
大阪観光局では2018年からLGBTQツーリズムに取り組み始め、19年には観光DMOとして日本で初めてLGBTQサイトを構築。多様性あふれ寛容力のある大阪の人懐っこさを背景に、国際観光都市としてLGBTQツーリズムの先進都市を目指して活動してきた。
また、LGBTQツーリズムの普及のため1983年に創立した旅行業団体「IGLTA」にも参画。大阪観光局が音頭をとって宿泊施設や飲食店など20社もIGLTAに加盟し、アジアで一番会員が多い都市になった。
大阪観光局でLGBTQツーリズムのアドバイザーを務め、LGBTQマーケティングを支援するアウト・ジャパンの小泉伸太郎会長によると、LGBTQ旅行者はSNSでの発信力に長け、気に入った場所に何度も通うロイヤリティが高いことなどの特徴がある。旅行先での消費額も通常の旅行者の2倍という。同性婚のハネムーンや家族旅行、トランスジェンダー旅行など旅行スタイルも多岐にわたり、地域への経済波及効果も多大なものがあるそうだ。
大阪観光局では2024年に「IGLTA世界総会」を誘致しようと5月20日に準備会議を開催。日本政府観光局(JNTO)や2025年日本国際博覧会協会に加え、北海道観光振興機構や東京観光財団、沖縄観光コンベンションビューローなども参加した。
(トラベルニュースat 2022年6月10日号)
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