観光って、密なので 紙面から選ぶ2022年観光番付(1) 県民割、全国旅行支援、水際対策緩和で“光明”
コロナ禍に加えて、隣国は侵略戦争を始め、別の隣国はミサイルを打ちまくる…国内でも狙撃事件があるなど、平和産業の復興に水差す出来事が多かった2022年。それでも、コロナの重症化率の低減傾向や県民割の拡大をトリガーに国内観光は復活の兆しを明確にし、インバウンドも戻り始めた。業界団体の総会や行事も通常通り開かれることが増え、やはり人と人とが向かい合うことが基本の「観光って、密なので」を再確認したこの1年の話題を編集部独断で恒例?の番付にしてみました。
国内観光復活へ インバウンドも“国境開く”
A 今年は観光復活のホップは踏めたような気がするがどうだろう。
B 3月21日に18都道府県の「まん延防止等重点措置」が解除されて、3年ぶりに行動制限のないゴールデンウイークと夏休みを迎えることができた。県民割も隣県に拡大されて、地方観光の復活には大いに貢献したと思う。宿泊施設からはコロナ前の8割程度に戻ったとか、過去最高の売上なんて声も聞いた。行動制限がなくなり多くの祭や大型イベントが開催されたのも国内観光にとっては明るい話題だった。
C 10月11日からは全国旅行支援が始まったし、今年の東の横綱は「国内観光復活」でいいのではないか。
A ただ、全国旅行支援は現場で混乱をもたらした。Go Toトラベルと異なり、事務局が都道府県単位になったことで「制度運用の解釈が都道府県によって異なり、お客様に怒られた」という旅行会社経営者もいた。宿泊施設からも現場の負担が増したとの声は少なくなかった。
B 東京では過去にないほどの予約の入り方だと歓迎する宿の経営者が多い。全国が対象なので「東京に行っても大丈夫」というメッセージになり、地方から東京へ人の動きが出てきた。
C 10月11日は水際対策も緩和された。観光復活の気運が高まったということで西の横綱に。
B 入国者数の上限撤廃、個人旅行の解禁、短期滞在査証(ビザ)の取得免除の3つが実施され、岸田首相が発表した9月22日を境に旅行会社やホテルでは海外からの訪日旅行の問い合わせが殺到した。添乗員完全同行の団体旅行解禁とか小出しの緩和策で様子を見ていたのが、ようやく本格的に国境が開いた気がしたね。
(トラベルニュースat 2022年12月10日号)
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