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観光って、密なので 紙面から選ぶ2022年観光番付(2) 地域との関係深める旅行会社

バス業界は苦境も 旅行会社は包括連携協定や県民割で存在感

 京都や奈良、大阪市内では外国人観光客の姿が一気に増えた。インバウンド専業だったバス会社の担当者は「フル稼働するようになりました」と喜ぶ反面、別のバス会社担当者は「運転手がいないので、予約を断らざるを得ない」と嘆いていた。マンパワー不足は業界全般に言えることで、改めて3年弱に及んだコロナ禍が残した爪痕の大きさを感じる。

 バスと言えば、10月10日に日本バス協会が自民党本部で開いた「危機突破決起大会」。人流抑制策が続いたことやバス利用による感染への不安などで乗合バス、貸切バスともに「初めて決起大会を開かざるを得ないほどの苦境に陥っています。なんとか支援をお願いしたい」と訴えていた。全国から参加した事業者が皆ハチマキをしていて、かつて宿泊団体がハチマキ姿で特別地方消費税廃止を訴えていたのを思い出した。

 地方創生、地域振興の手段として観光交流が存在感を増す中、大手旅行会社を中心に全国の自治体と包括連携協定を締結するニュースも今年は多かった。大手は中間決算も好転し、旅行に関連する周辺事業への取り組みが奏功した。

 中小旅行会社もいろんな取り組みをしている。1社では限界があるので、団体やグループでチャレンジした。京都府旅行業協同組合は、京都市と協力して市北部エリアの観光素材を発掘、観光入り込み客が偏重している中心部以外の京都観光の確立を推進した。県民割がブロック割に移行した時は、北海道と東北6県の旅行業協会がスクラムを組んで、県境を越えて中小旅行会社が連携した取り組みもあった。

(トラベルニュースat 2022年12月10日号)

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