団体旅行復活へ共闘 全旅協大阪と大阪バス協が初会合(1) 行政支援策の具現化へ議論
中小旅行会社と貸切バス事業者が、団体旅行の本格復活に向け共闘―。コロナ禍で疲弊した両業界を立て直そうと4月12日、一般社団法人全旅協大阪府旅行業協会(吉村実会長=歓喜旅行)と一般社団法人大阪バス協会貸切バス委員会(寺西保委員長=阪急観光バス)の意見交換会が大阪市北区の中央電気倶楽部で開かれた。両者が意見交換会を実施するのは初めて。貸切バスを利用した団体旅行に対する支援策を効果的に大阪府などへ訴えていくことで一致した。
苦境打破へ要望訴え
両団体はコロナ禍の期間中、大阪府の吉村洋文知事宛てに貸切バス代金の半額を補助する支援策の要望書を提出するなど、これまでにも陳情活動はともに行ってきた。直近でも同様の要望を行い府に質したが、全国旅行支援の団体枠を回答として示されるなど、いずれの要望も実現することはなかった。
そのため、両団体の会員の実情を共有し団体旅行復活の機運を高めるとともに、行政への要望に対する戦略の練り直しなどに関して初めて意見交換会の場を設けた。全旅協大阪府旅行業協会からは9人、大阪バス協会貸切バス委員会からは11人が出席した。
意見交換会でははじめに、吉村会長が「忌憚のない意見を交わしたい。お互い団体旅行が主流。同じ思いの協会で前向きに進めていきたい」。寺西委員長が「コロナで貸切バス業界はズタズタになった。以前のようにまったくバスが動かないという状況は改善されたと認識しているが、貸切バス事業者全体で運転手がまったく足りていない。運転手も高齢化しており、万博開催時の輸送も心配せざるを得ない状況です」とあいさつを兼ねて口火を切った。
自己紹介を兼ねた現状報告では、旅行会社から「団体旅行、ご一行さん旅行が中心で2019年を100とすれば、取扱人数で20年19%、21年13%、22年35%という状態」。バス会社からは「ドライバーが生計を立てられない。運転手は保有台数に満たない人数にまで減り、お断りする日が以前より増えた」「賃金をアップしなければならないが到底無理。飲食業は手厚く支援されている。何とか単価を上げて社員に還元できるようにやっていきたい」「3月末から潮目が変わった。インバウンドの団体の恩恵。団体旅行回復に向けた取り組みには非常に関心を持っている」などの意見が出た。
(トラベルニュースat 2023年4月25日号)
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