市場に風穴を開ける協業 全国新聞旅行協議会(2) 情報共有し生産性上げ、共同販売
地元紙の強みで地域活性化図る
集客は、各社とも系列の地元紙に広告を掲載しているケースがほとんど。ならば、広告のレイアウトを共通化し出発地や旅行代金、主催旅行だけ変えられるようにすればいい。しかもサイズも多種類用意し、新聞社側の要望に即応する。代理店に制作料を過大請求されることもなく経費削減につなげている。
さらに、精算業務の軽減や仕入力の強化で「全旅クーポンがいいぞ」という導入済の会社の提案で複数社が加入を即決したり、郵便料金の値上げに伴い客とのやり取りをウェブ上で完結できるようにするという話しに皆が聞き耳を立てる。チャットGPTが社内議事録から客への案内文、旅程まで作ってくれて「ダラダラ残業がなくなった」との報告があれば質問が相次ぎ、自社の生産性の向上に前のめりになる。
2日間に及ぶ会議なのだが、時間の長さを感じさせない。しかも初日の夜は、日付を越えて一杯やりながら喧々諤々と情報を交換する。
地方紙も購読者減少という課題を抱えているが、「だからこそ」と山田さん。読者サービスとしていい商品を造らないといけないし、旅行・観光の力で地元経済に還元しなければならないと力説する。「地元紙という看板と信用があるから、我々でないと仕入れられない素材、人脈があります。地元で尖がった商品を造り、協議会の仲間で双方向に送客し合う。この強みはインバウンドにも生かせると思っています」。地元で長年愛読されてきた新聞とともに地元密着だったからこそ可能性が高まる旅行・観光を通じた地域創生。全国の仲間と協業して、新聞旅行社の強みを最大化する。

山田さん
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