能登復興の応援誓う(1) ANTA近畿6支部有志が視察
一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)近畿地方支部長連絡会、国土交通省近畿運輸局観光部、弊紙の3者が実行委員会をつくり3月28―29日、石川県・和倉温泉を訪ね「能登半島復興につながるツーリズムを考える会」を実施した。近畿2府4県の支部長や役員ら22人が参加。日本の宿のと楽で現地関係者から現状や今後の取り組みを聞き意見交換を行ったほか、和倉温泉の復興ガイドツアーで温泉街を歩いた。参加者は口々に能登の復興を応援することを誓い、今回の経験を各支部の会員にフィードバックすることを約束した。
「能登半島復興につながるツーリズムを考える会」
能登半島復興につながるツーリズムを考える会は、近畿のANTA6支部でツーリズムの観点から今後の能登半島復興に向けた方策を考えようと企画。石川県で旅行業を営むANTA本部の北敏一副会長が協力し、意見交換会を実施した。
石川県観光戦略課の土橋順一課長は、観光誘客について「令和8年度に『能登元気宣言』を発したい」とし、今年中に和倉温泉で4軒の宿泊施設が営業再開する見通しを明らかにした。また、教育旅行と一般団体向けに震災学習プログラムを造成し「能登復興の旅」として紹介するほか、JR西日本に大阪―和倉温泉直通のサンダーバード運行を申し入れているとした。「お客様がお越しいただけないのであれば、能登の産品をお買い求めいただくことも能登を支えることになります」とし県を挙げて応援消費プロジェクトを実施。「従来の能登になるようお力添えを」と呼びかけた。

和倉温泉で現在唯一、団体旅行客を受け入れている
のと楽で行われた意見交換会
加賀屋グループ女将の長谷川明子さんは、地震で被害を受けた護岸の改修工事を国の支援で進めていることを紹介し「皆さんにお越しいただき元気をいただきました」と感謝した。
和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会の宮田清孝事務局長は、温泉街に人が回遊する仕組みづくりとともに、宿泊施設を強じん化する「まちまるごとBCP」など近未来の和倉温泉像について報告。「大阪・関西万博のパビリオンを和倉に持ってきて、能登に万博のレガシーを残すというプロジェクトも検討しています」と述べた。
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