能登復興の応援誓う(2) 産品の購入や旅行商品化を検討
“和倉の奇跡” 美談に終わらせず今後の防災につなげる
珠洲市の道の駅すず塩田村の中野実さんは、震災と豪雨の被害で昨年12月にようやく国道249号線が仮道路として復旧したと伝え「ただ大型バスの通行は難しい」と話した。全国で唯一、揚げ浜式の塩づくりを行っており、塩田を修復して職人が作った塩を参加者に配り「塩づくりの伝統文化をつなぐ復旧、復興のご支援を」とした。
奥能登の塩や産品を施設内で販売するコスモアイル羽咋の高野誠明さんは「私ども施設は通常営業しており、奥能登の応援もできる立ち位置です」とし施設に立ち寄ることで能登半島を応援してほしいと呼びかけた。
意見交換では、旅行催行時の昼食場所や宿泊施設の現況を尋ねる質問や「本当に観光客を連れて行っていいのか」という質問も。これに対して中野さんは「私も悩んでいる部分ですが、地域を応援していただくためにも防災意識を高めるためにお越しいただければ」。宮田さんは「お越しいただいた皆さんが、地元企業や観光業の人たちと対話いただくことが大切だと考えています」。
翌朝の復興ガイドツアーでは、未だに建物が損壊している旅館、ひび割れが残った道路を歩きながら、ボランティアガイドの佐野藤博さんの「旅館スタッフが総出で、1200人の宿泊客を一人も怪我させずに無事避難させたのは“和倉の奇跡”です。ただ美談に終わらせず今後の防災につなげていきたい」という話に皆うなずいていた。

温泉街の避難所だった和倉小学校へ続く交差点に
旅館スタッフが立ち宿泊客を誘導したと伝えるガイドの佐野さん
今後、各支部総会で能登特産品を会員に配布することや、来年2月に奈良市で開かれる国内観光活性化フォーラムで、ブース出展を無料提供することなどを予定する。
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