メイド・イン・ジャパン戦略が奏功 黄剣峰社長に聞く(1) 東京で開発、大阪で店舗展開/DR PLANT植物医生特集
コロナ禍でも売上が伸長
―DR PLANTの歴史を教えてください。
1994年に中国科学院昆明植物研究所と共同で植物医生研究開発センターを開設したのが始まりです。センターでは、黄色人種特有の角質層が薄い敏感肌について研究し、漢方に由来した製品づくりを行ってきました。それが支持されて、現在では中国を中心に各国で4千店舗を展開しています。
日本への進出は2011年で、東京の赤坂見附に研究所を設立したところから始まりました。高山植物のDNA解析を研究し、日本人に合うスキンケア商品の開発を行い、厚生労働省など行政機関の認可を得ました。
19年4月、大阪・本町に1号店、9月に旗艦店となる北心斎橋店をオープンしました。

「他社に負けない商品価値がある」
と胸を張る黄社長
―直営店舗の開設は東京ではなく、なぜ大阪だったのでしょうか。
東京は高山植物や日本人の皮膚などを探究する研究所としての機能を持たせましたが、商売を始めるには大阪が最適という判断から、直営店舗を設けることにしました。
インバウンドによりドラッグストアや化粧品店が賑わう場所が大阪の心斎橋でしたから、当初から心斎橋で店を開くことを考えていました。インバウンドの玄関口である関西空港から心斎橋に来やすいことも理由のひとつです。心斎橋に空き店舗を探しながら、4月に1号店を本町に設け、5カ月後に北心斎橋店の営業を始めました。
大阪は安くていいものであれば受け入れるという土壌がありますが、我々のスキンケア商品の原料は中国産なので、どうしても中国の化粧品=粗悪品というイメージがついて回ります。
そこで「原料は中国産ですが化粧品自体は東京研究所で製造しているメイド・イン・ジャパンなので安心です、一度使ってみてください」と訴える戦略を立てました。店頭でサンプルの配布を始め、購入していただいた方には店内で無料のエステを体験してもらうというものです。商品は店内にキープし、繰り返してエステを行うことができるため、リピーターの確保にもつながりました。

北心斎橋店で商品を購入、説明を聞く来店客
当社のスキンケア商品は、他社に負けない商品価値があると自信を持っていますから、一度使うだけでも評価をいただけると思っていました。この施策は功を奏しましたね。
押し売りをせず、無料のエステ体験が評価され、口コミで広がった効果は大きいと思います。

確かな品質が安心を生む
実際にコロナでたいへん厳しい環境下にあるにも関わらず、2020年6―9月の売り上げが伸びたことは、それを実証できたと解釈しています。1、2月は月に200人程度の来客でしたが、10月には1千人になりました。
お客様のなかにはお子様を連れて来られる方もいらっしゃるので、1号店の本町店には託児所を設けています。お子様連れでも利用しやすいようにしたこともリピーターとしてお越しいただきやすい要因になっているようにも思います。
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